研究計画書のテーマ選び
研究計画書の指導をプロに頼むのはいいけれど、当然のことながら、テーマ選びから資料収集までは自分でやらなければなりません。
テーマを選ぶ入り口はおそらく3つ。
・法律の条文から入る
・判例から入る
・指導を受けたい教授の研究テーマを参考にする
「法律の条文から入る」は、税理士試験の税法をやっている方や、実務で税法に携わるっている方は、疑問に思う条文や、好きな条文(?)があると思います。その条文についての論文や関連判例を題材に研究計画書を作成すればいいと思います。
その条文に関連する著名な判例を探す方法は、ググってもいいと思いますし、王道はやはりこの「租税法判例六法」でしょう。
「租税法判例六法」は、条文を引けば、その条文に関連した重要判例が載っています。そこから目星をつけて、実際に判例を読んでみる、というのがいいのではないでしょうか。
ちなみに、この「租税法判例六法」は、法学研究科など税法を主に研究する大学院でしたら、絶対に使うので買っておいて損はないと思います。
「判例から入る」なら、最高裁のHPで租税判例を読むか、「租税判例百選」から選ぶのがいいと思います。
この判例集も、税法大学院なら必須アイテムだと思うので、買っておいてもいいかと思います。
判例の全文は、著名なものなら最高裁判所のHPに全文掲載されていますし、大きい図書館(国会図書館、出身大学の図書館)などで判例集をコピーする、東京近郊の方なら「租税資料館」などに赴いて、LEX/DBなどにアクセスするなどの方法が考えられると思います。
テーマが決まったら、資料集めですね。
研究テーマが決まったら、関連する学説、判例、判例批評を読み漁ります。ここで登場するのが、金子宏先生の「租税法」です。
金子先生の「租税法」には、学説、著名論文や判例批評の引用がされています。
自分の研究テーマについて、金子先生はどのように仰っているのか、反対学説はどのような考え方なのか、研究テーマの先行論文にはどのようなものがあるのか、その入り口に「租税法」はとてもいいと思います。
関連論文や判例批評をどこまで集めるかですが、修士論文を書くのなら答えは「すべて」ですが、研究計画書の段階ではそれほどたくさんはいらないんじゃないかと思います。私は、研究計画書の参考資料は10程度でした。
但し、受ける大学院の教授や卒業生の論文チェックは、絶対に忘れないように!笑
資料が揃ったら、執筆ですね。
・研究の目標と意義
・研究内容
・研究方法
などを書けばいいと思います。これは、前回書いたように、自力で書けるなら自力で、専門家の力をお借りするならお借りして、どちらでもいいと思います。
私は、専門家の力をお借りして、2ヶ月かけて研究計画書を作成しました。提出時の満足度は80%くらいです(時間が足りなかった)。
優秀な同期は、研究計画書の資料集めから執筆まで1ヶ月でできたと言っていました。私のような非優秀な人間は、2ヶ月でも満足できるものができませんでした。別の大学院を受けた私の元上司は、1週間程度で研究計画書を書き上げていました(絶対に落ちると思ったけど、受かっていました笑)。
正直な話、受ける大学によって研究計画書に求められるレベルは違うと思います。
あくまでもご参考程度に。